犯人たちは、名簿をみながら電話をかけてシナリオにしたがって騙していく「架け子」、送金されたお金を回収してくる「受け子」、名簿、電話を調達したり、シナリオを作るという「道具屋」などに役割分担しているようです。そして、そのような組織をたばねる「首魁」がいて、それぞれの「架け子」ごとのグループを作って売上(つまり騙した金額)を競わせるとか、さらに巧妙な手口はないか、警察に捕まったときにどう答えるか、などを考えたるためのミーティングもしたりするようです。
「受け子」は安いアルバイト料で雇われ、捕まったときには警察に対してこのように言えばいいとか、もし自白しなければ報奨金を出す、などと言われて、安易な気持ちでやっているものの、捕まってみると重い懲役を宣告されて、はじめて自分のやったことがそんなにひどいことだったのか、と、気づきます。
首魁は、「架け子」や「受け子」が良心の呵責を感じないように、「自分たちは高齢者が持っているお金を社会に還元するという重要な役割をしている。」などと勝手な自己正当化の理屈をふきこんで、犯罪に手を染めさせている、という話もあります。また暴力団が首魁となっていることも多く、「足抜けしようとすると、暴力的制裁も加えられることが怖かったので、やめられなかった。」という「架け子」や「受け子」もいるようです。
オウム事件で明るみになったマインドコントロールと暴力的支配が同じように行われている、典型的な組織犯罪です。
続く