今年5月31日のブログで触れました、広島修道大学附属ひろしま協創高校(旧・鈴峯女子高校)のご出身で天満屋女子陸上部所属の谷本観月選手。
今月28日(日本時間)ドーハで行われた世界陸上の女子マラソンで、見事7位に入賞しました。
日中42、3度にもなる酷暑のドーハということで、深夜スタートとなった今レース。しかし、それでもスタート時点でも気温は32度、湿度が73%にものぼるという、非常に厳しい環境でした。湿度は夜間でも90%にもなるという話も聞きました。
そのため、ケニア勢を含む4~5人の選手が飛び出してトップ集団を形成したものの、全体として非常に抑え気味の展開となり、優勝したチェプンゲティッチ選手(ケニア)ですら、自己ベスト記録より10分以上遅い2時間32分43秒というタイムで、これは2007年大阪大会の2時間30分37秒よりも2分遅い歴代最遅優勝記録だそうです。
しかも、その厳しい環境故に、棄権者が続出し、世界陸上で初めて完走率60%を割る、58.8%だったそうです。
谷本選手は、序盤・中盤はトップ集団からかなり離された位置で、十数位辺りの順位で我慢しながらの走りでしたが、中盤以降、先行する選手のスピードが落ちるなか、ぐんぐんスピードを上げて、あっという間に入賞圏内に入り、7位にまで順位を上げていきました。
序盤・中盤でもう少し上の位置につけていれば、もっと良い順位も狙えたのかも知れませんが、上記の厳しい環境では、こうした抑制のきいたレース運びもやむを得ないところだったのではないかと思います。
谷本選手は、天満屋に入ってから伸びてきた選手で、まだこれから伸びしろのあるところですので、とりあえず今回のレースは十分な成果をあげたというべきでしょう。
来年の東京オリンピックは早朝スタートということですが、日が差す上、次第に温度が上がっていく分、東京の方が環境的に厳しいという見方もありますし、ドーハの方が、湿度が高く厳しいという見方もあります。
今月15日のMGCでは、東京オリンピックの代表3枠のうち2枠が優勝した前田選手と2位の鈴木選手に内定し、残り1枠は、MGCファイナルチャレンジ(2019年度の国内主要競技会で設定記録突破者のうち記録最上位選手。いない場合はMGC3位の選手を選出)によるということですが、いずれにしても、ドーハの厳しいレースで相当の結果を残した谷本選手にチャンスがあれば、と思います。
ちなみに、詳しすぎる解説者・増田明美さんが、放送中、谷本選手の出身校を、「修道大学附属鈴峯女子高校」とフルで紹介されました。修道OBとしては、わざわざ修道の名前を出してくださったことにグッドジョブと申し上げます。
以 上