身内が亡くなるのはとても悲しいことですし、まして、自分が死ぬということもできれば考えたくないことです。
しかし、これは人間誰しも避けられないものですし、また、人一人亡くなるというのは家族的にも社会的にも大変な出来事ですから、いざそのときには何かとトラブルやその原因となる事が起こるもので、それに対して余裕をもって対応することも困難な場合が多いです。
その一番は、「相続」です。
しかも、必ずしも相続について十分な知識がないために、相談に来られたときには、既に取り返しのつかないことになっていることもあります。
そこで、そうしたことのないよう、相続について何回かに分けて、お話ししようと思います。
今回からしばらくは、まず遺言がない場合の相続に関する基本的なルールです。
① 法定相続人は誰?
a 配偶者がいるときは配偶者は常に相続人となります。
なお、現行法上は、内縁関係では相続権は認められていませんので、内縁関係の配偶者に遺産を分けてやりたいというお気持ちがあるなら、生前に入籍しておくか、後に述べる遺言や生命保険を掛けておくなどの配慮をしておくべきでしょう。
b 被相続人の血族については
ⅰ 子(既に死亡している子がある場合は、その子、つまり孫が代襲する)
ⅱ 直系尊属
ⅲ 兄弟姉妹(代襲あり)
の順に相続人となります。
※代襲相続:相続開始時に既に子や兄弟が亡くなっていれば、その子や孫(兄弟の場合は、その子までで孫以下は含まない。)がその順位で相続
② 法定相続分は?
相続分は、添付の表をご覧下さい。