広島メープル法律事務所 広島メープル法律事務所

【営業時間】9:00〜17:30 017-722-1600

弁護士ブログ

弁護士ブログ「東須磨小激辛カレーパワハラ トップの姿勢」甲斐野正行

2019.10.11

ここのところ毎日テレビ等では、東須磨小学校の教師間のパワハラが話題になっていますが、報道されている加害教師の言動が事実なら、パワハラ以前に犯罪行為といえ、教師の言動としては信じがたいものです。

緒方監督の暴行の際もブログで触れましたように、パワハラとは、

1.職場での立場の優位性を背景に

2.業務の適正範囲を超えて

3.身体的、精神的苦痛を与える、または職場環境を害すること

という定義づけがされるのですが、パワハラは、業務上の指導や注意のなかで行われることが多く、一般論としては適正範囲を超えているかどうかの判断は難しいところがあります。

 

しかし、東須磨小のケースは、報道されているところでは、嫌がる被害教師を加害教師の一人が羽交い締めにし、もう一人が激辛カレーを食べさせたり、目や口に塗りつけたりし、もう一人がその様子を動画で撮影したほか、被害教師が購入した車の屋根に乗るなどしたというもので、それが事実なら、そのような行動自体、およそ指導や注意というような目的でするようなものではなく、最早適正範囲を超えるかどうかというレベルではないでしょうし、職場環境として極めて深刻な問題があることは明らかです。

 

そうすると、トップである校長先生は、被害教師から相談を受けたのなら、直ちに調査の上、被害教師の保護を図ると共に、加害教師に対する指導や処分を検討すべきですし、当然これを市の教育委員会に報告すべきでした。

 

ハラスメントを防止するには、職員全員の意識を高めることが必要ですが、そのためには、まずもって組織のトップが、ハラスメントは職場からなくすべきであることを明確に打ち出すことが必要です。そのようなトップメッセージがあり、それを実現するための施策をきちんと運用することで、初めて職員の意識改革ができるし、組織のコンプライアンスが維持できると考えるべきです。

 

そうした意味では、今回の東須磨小の校長先生は、十分な調査もせず、自分の判断で教育委員会への報告もしなかったと記者会見で述べており、そうだとすると、学校という教育機関以前に、組織のトップとして大変残念なやりようでした。

 

もっとも、神戸市の場合、教育委員会自体が特殊な感じで、昨日の読売新聞によると、今年8月末以降、運動会の組み体操の練習中に、市立小中学校30校の児童や生徒51人が負傷し、うち6人が骨折したそうで、神戸市では、今年8月に久元喜造市長が、組み体操の見合わせを市教委に要請していたが、市教委は「一体感や達成感が得られる演目だ」などとして継続して、この結果を招いたそうです。

組み体操の危険性は長らく指摘され批判もされてきたところで、今なお組み体操にこだわる感覚がよく分かりませんが、生徒の安全配慮に欠けるところがあるように思われ、今回のパワハラ事件も含めて、生徒や職員の安全に対する配慮や意識を見直す必要があるように思われます。

 

以上