日弁連民暴委員長を退任しました
委員長 中井克洋
2018年8月22日のブログで、平成30年6月から日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会の委員長に就任したブログを掲載しましたが、よく考えると退任の挨拶をしていませんでした。少し時間がたってしまいましたが、私は、2018年6月25日からこの6月までの2年間、第24代の委員長を務めさせていただきました。
その間、2018年10月4日、5日に青森市において開催された日弁連第61回人権擁護大会のシンポジウムを担当したことなどを経験させていただきました。最後はコロナ対策で、会議がWEB会議となるなどいろいろ初めてのことに直面しましたが、任期を何とか無事に全うできたことはとてもありがたく思っております。
ところで民暴委員は、不当要求を行う暴力団など反社会的勢力を相手としますので、不当要求に対して、依頼者と一緒に、あるいは依頼者に代わって対応する経験が多い弁護士です。私は、そのような不当要求に直接対峙する依頼者や弁護士が、個人的な勇気や資質にたよらずとも、システムとして警察や行政の援護を受けることができるようになればよいのにと長らく思ってきました。
そして私が広島弁護士会民暴委員会委員長をしていた2011年11月に広島で開催された民事介入暴力対策広島大会において、広弁民暴委員会は、協議会テーマを「誰もが安心して暮らせる世の中になるために~不当要求に対する現場での具体的対応方法とその援護システム」として「民事不介入の原則」について研究し、民事の不当要求の現場においても警察が援護できることを発表しました。その後、大会実行委員会編として「民事不介入の原則~警察はどこまで支援できるか」(きんざい)も発刊しました。
今、働き方改革施策推進のなかで、取引先や顧客からの不当要求、いわゆる「カスタマーハラスメント」が問題になり、社会から悪質クレーマー対策の要望が強まっています。そこで全国各地で、多くの民暴委員が悪質クレーマー対策の研修や講演を行っています。また、行政や学校の現場における不当要求対策にも協力しています。
しかし不当要求対応のノウハウの啓蒙は進んでいるものの、現場で不当要求者と対峙する人を警察が援護するシステムの構築はまだまだ道半ばです。私はこれからも、そのシステム実現にむけて努力していきたいと思います。
それから次期委員長は東京第二弁護士会の尾崎毅先生ですが、尾崎新委員長にお願いすることになった課題が多く残っていることは心残りですが、私はこれから一民暴委員としてその課題にとりくんでいきます。
皆様におかれましては、これからもより一層ご支援くださいますようよろしくお願い申し上げます。
以 上